41枚目

 半開きの下駄箱から一筋の光が差していた―へそくりだ。
 
 息をするにも金がかかる。高い買い物する訳でもなく、遠出する訳でもなく、必死こいて稼いだ40枚は全て延命する為に切った。そうだ。私は、今いるこのかけがえのない空間を維持する為に戦っていた筈だ。その願いはかなえられた。
 
 こぼれ落ちた泣きの一枚。それは過去の自分からのメッセージのように思えた・・・

  『お前は生きろ』