最小構成

 体力のもはやない私がようやく見つけたひと月だけのきっとしがらみの少ないデスクワーク。その頭金でようやく新たな年を始められそうだったが寝過ごしたのはもう一昨日のこと。掴み損ね
 
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 生活を形作るのは 予定・約束・希望等未来の方向に奥行のあるしがらみ
 生活を彩るのは 目に見える人々や物事という現在の平行線上のしがらみ
 
 ホワイトチョコレートのかぐわしい空き袋の隣で、夢の中私はたぶんに幸福に、運命に選ばれ、誰かに選ばれ、自身は四肢のひとつもぴくりともさせることなく時計の針は進む。身体の運びがどことなくぎこちなく現実味があるが、その程度の違和感ではもう正確な立ち位置を知覚しない。
 過去を彩るしがらみにやさしくされて、おもわれて、あれ以上の笑顔を見ることはきっとなく、あとは食欲という駄々っ子をなだめすかすだけ。物心つかぬ子をあやしながら、二本の足で立つその時をただ待つばかり。二度来ないその時